在宅静注強心薬療法とは
在宅静注強心薬療法とは、入院中に強心薬(ドブタミン、ドパミン、ノルアドレナリンなど)の持続点滴が必要と判断された心不全の患者さんが、退院後もご自宅で同様の治療を安全に継続できるようにする在宅医療です。心臓のポンプ機能を薬で補い、息切れやむくみといったつらい症状を緩和しながら、ご自宅での生活を可能にします。通院や入退院の負担を軽減できるため、心不全とともに暮らす方にとって、生活の質(QOL)を維持・向上させる治療選択肢のひとつです。
在宅静注強心薬療法を行う対象
在宅静注強心薬療法は、次のような方に適しています。
- 病院での強心薬治療が長期化し、自宅での療養を希望する方
- 点滴薬の中止や減量により心不全症状が悪化する「強心薬依存状態」と診断された方
- 年に2回以上、心不全での入退院を繰り返している方
- 自宅で穏やかに過ごしたいという意向をお持ちの方とご家族
- 心不全のステージD(薬物療法やデバイス治療の効果が乏しい最重症ステージ)と診断された方
※ ご家族や支援者のサポート体制が必要になります。
※ 治療適応については、静注強心薬療法を開始する医療機関(入院加療をうけられている医療機関)と静注強心薬療法を受ける患者さんの在宅療養を管理・支援する病院(当院のハートチーム)を中心としたハートチームで総合的に判断し提案します。
在宅静注強心薬療法の
具体的な治療方法
- 薬剤の持続点滴:CADDポンプなどの携帯型輸液ポンプを用いて、強心薬を安定した速度で24時間持続的に静脈投与します。
- 投与経路
• PICC(末梢挿入型中心静脈カテーテル):上腕の静脈から挿入され、在宅での使用に適しています。
• CVポート:皮下に設置されたポートを通じて、長期間の投与が可能です。 - 日常管理
• 投与機器の管理や薬剤の交換は、訪問看護師が対応します。
• ご家族には基本的な観察方法や緊急時の連絡手順をお伝えし、安全性を高めます。
• 血圧・脈拍・体重など、日々の体調変化も医療チームが継続してチェックします。
当院の在宅静注強心薬療法の特色
- 循環器専門医によるテーラーメードな在宅診療:心不全に精通した循環器専門医・総合内科専門医がご自宅を訪問し、症状に合わせた専門的な評価・薬剤調整を行います。
- 外来と変わらない検査体制:ご自宅でもレントゲン検査、心電図、24時間心電図、心臓超音波検査、血液検査、PCR検査などの評価を行います。
- ハートチームによる多職種連携:医師・訪問看護師・薬剤師・ケアマネジャー・リハビリスタッフが連携し、生活面も含めた包括的サポートを提供します。
- 緩和ケア・ACPも重視:終末期に向けたアドバンス・ケア・プランニング(ACP)を重視し、「自宅で穏やかに過ごしたい」というお気持ちを尊重した緩和ケアにも対応しています。
- 安心の24時間対応:緊急時には、訪問医・看護師が連携し迅速に対応。必要に応じて入院施設とも連携しています。














