循環器科遠隔外来(オンライン診療:D to P with D)

東京日暮里たんのハートクリニックの取り組みATTEMPT

はじめに

循環器疾患は高齢化に伴い増加しており、心不全パンデミックと呼ばれる状況の中で、地域における循環器専門医不足が大きな課題となっています。
当院では、オンライン診療の中でも D to P with D(Doctor to Patient with Doctor) ― 患者さんが地域の医師と一緒に診察室にいながら、遠隔で循環器専門医の診療を受けられる仕組み ― に取り組んでいます。

D to P with D の意義SIGNIFICANCE

専門医不足地域の課題解決

遠隔診療により、都市部の専門医リソースを地域に還元できます。

ハートチームアプローチ医療の推進

主治医+循環器専門医+多職種でリアルタイムに診療することができます。

対面診療に近い情報収集

遠隔聴診や画像・検査データ共有により、心不全増悪の早期発見と薬物調整が可能になります。

実例:町立別海病院での循環器科遠隔外来REMOTE

当院は北海道の町立別海病院と連携し、循環器科遠隔外来を実施しています。

診療体制

接続方法

ビデオ診察システムを利用しています。

情報共有

ビデオ診察システムを用いて、バイタルサイン、検査データ(心電図・血液検査・胸部X線・CT・心臓超音波検査など)を共有しています。

診察

遠隔聴診器を用いた心音・呼吸音の評価、浮腫や頸静脈怒張の確認も可能です。

診療プロセス

問診内容、診察所見、検査データなどから、病状を丁寧に説明し、主治医・専門医・患者さんの三者で話し合い、治療方針を共同決定し、診療メッセージで情報共有を行っています。

メリット

専門医が不在でも、心不全や不整脈などの専門性が高い疾患に対応可能です。

二人主治医制により、より安全で精度の高い診療を実践できます。

地域完結型医療の推進、患者移動負担の軽減につながります。

現状の課題ISSUES

診療報酬制度の未整備

診療所と病院間での D to P with D に対する報酬設定がない現状です。

法的・運用上の制約

指カルテ共有のセキュリティや指導管理料算定要件などに制限があります。

運営の持続性

導入・運用にかかるコストをどう支えるか、制度的な裏付けが求められます。

エビデンス不足

臨床的有効性やアウトカムの蓄積が急務です。

今後の展望PROSPECT

D to P with D 型循環器遠隔外来は、まだ診療報酬や制度の整備が十分ではありません。今後は、行政や学会、地域の医療機関と連携しながら、制度整備とエビデンスの構築を進め、持続可能なモデルの確立を目指してまいります。

当院の姿勢ATTITUDE

当院の「D to P with D」型循環器遠隔外来は、

  • 専門医不足の解消
  • チーム医療の実践
  • 患者・地域に安心を届ける診療

を可能にする新しい仕組みです。

まだ制度や運営上の課題はありますが、行政・医療機関と共にモデルを構築し、発展させていく段階にあります。
ご関心のある医療機関・自治体の皆様は、ぜひご相談ください。

東京日暮里たんのハートクリニックは、地域医療と循環器専門医療をつなぐ「橋渡し役」として、この新しい診療スタイルの普及を目指しています。

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