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新着情報

国際循環器専門誌「JACC: Case Reports」に症例報告が掲載されました

東京日暮里たんのハートクリニックでは、日常診療から得られた重要な臨床知見を、国内外へ積極的に発信しています。
このたび、院長が経験した症例が、米国心臓病学会(ACC)公式国際誌 JACC: Case Reports に採択・掲載されました。

論文情報

Dynamic Flap at the Coronary Opening Mimicking Left Main Disease: A Rare Coronary Obstruction Cause.

Tanno J, Arai T.

JACC Case Rep. 2026 Mar 3:107248.

論文はこちら

https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jaccas.2026.107248

症例の概要

若年男性が、突然の胸痛と不整脈を伴う急性冠症候群として救急搬送されました。
心電図では「左主幹部病変」を強く疑う所見を認めましたが、冠動脈造影では動脈硬化による明らかな狭窄や閉塞は認められませんでした。詳しく観察すると、左冠動脈の入口部に、弁のように動く小さな隆起構造が存在し、心臓の拍動に合わせて一時的に血流を遮断していることが判明しました。

本症例の重要なポイント

本症例の最大の特徴は以下の点です。

 ●  冠動脈に「詰まり」がなくても、血管の入口が一時的に塞がることで重篤な虚血が起こる

 ●  一般的に循環補助として用いられる 大動脈内バルーンパンピング(IABP) により、

   👉 かえって心筋虚血が悪化した

 ●  冠動脈入口部を覆うようにステントを留置したところ、

   👉 虚血所見が速やかに改善した

この経過は、これまで主に剖検でしか示されてこなかった病態を、生体内で臨床的に証明した極めて貴重な症例です。

国際的意義

この「冠動脈入口部の弁様隆起(coronary ostial valve-like ridge)」は非常に稀ですが、

 ●  若年者の突然死

 ●  原因不明の重症心筋虚血

 ●  左主幹部病変様の心電図

の原因となりうることが報告されています。

本症例は、
「IABPが必ずしも安全ではない病態が存在する」
「動的病変を見抜き、適切に治療する重要性」
を国際的に示した点で、高く評価されました。

当院からのメッセージ

東京日暮里たんのハートクリニックでは、

 ●  一般的な検査で原因がはっきりしない胸痛

 ●  他院で異常なしと言われたが症状が続くケース

 ●  専門的な循環器評価が必要な方

に対し、最新の知見と経験に基づいた診療を行っています。

「検査で異常なしと言われたが症状が続く」場合でも、原因が隠れていることがあります。
気になる症状がある方は、どうぞご相談ください。

なぜ心臓カテーテル検査が必要なのか ― CTやエコーでは分からない理由

前回のブログでは、

CSA(冠攣縮性狭心症)やCMD(冠微小循環障害)

命に関わる可能性がある

ことをお伝えしました。

「CTで異常がないなら安心ですよね?」
患者さんから、よくいただく質問です。

しかし、CSAやCMDでは、
CTやエコーだけでは分からない異常が存在します。

 

CTやエコーは「形」を見る検査です。

  •   冠動脈CT
  •   心エコー

これらはとても重要な検査ですが、
共通しているのは、

 血管や心臓の「形」を見る検査
であるという点です。

一方、CSA・CMDは、
血管の「働き(機能)」の異常です。

 

心臓カテーテル検査で何が分かるのか

心臓カテーテル検査では、

  •   血管がどの程度血液を流せているか
  •   必要なときに血流が十分に増えるか
  •   血管が過剰に縮まないか

といった点を、直接・客観的に評価することができます。

CSAの場合

    ●  薬を使って攣縮が起こるかどうかを確認

CMDの場合

    ●  微小血管の血流や抵抗を数値で評価

 

ガイドラインでも推奨されています

現在のガイドラインでは、

症状があり、通常の検査で原因が説明できない場合、
冠動脈の機能評価を行うことが推奨される

とされています。

これは、
「形がきれい」=「安全」ではない
ことが分かってきたからです。

 

検査は怖いものではありません

「カテーテル検査は怖い」
そう思われる方も少なくありません。

当院では、

  •   手首からのアプローチ
  •   痛みや不安を抑える工夫
  •   必要最小限の検査

を心がけ、
安全性に十分配慮した検査を行っています。

 

検査はゴールではなく、治療へのスタートです

心臓カテーテル検査は、
「検査のための検査」ではありません。

  •   原因を明らかにする
  •   ●治療を適切に選ぶ
  •   ●将来のリスクを下げる

そのための、
大切な第一歩です。

 

最後に

胸の症状が続くとき、
「異常なし」という言葉だけで
不安を我慢する必要はありません。

見えない異常を、
きちんと調べる方法があります。

詳しく知りたい方へ

CSA・CMDについて患者さん向けに分かりやすくまとめた当院オリジナルのパンフレットもご用意しています。(※院内配布)

https://www.tanno-clinic.com/heart_center/

参考:European Society of Cardiology, Japanese Circulation Societyのガイドライン

東京日暮里たんのハートクリニック
院長 丹野 巡

冠攣縮性狭心症(CSA)・冠微小循環障害(CMD)は 命に関わる心臓の病気です

「血管はきれいです」

「大きな異常はありません」

そう言われたのに、胸の痛みや息苦しさが続く。

前回のブログでは、

CSA(冠攣縮性狭心症)やCMD(冠微小循環障害)

という“見えない心臓の病気”についてお話ししました。

今回は、
なぜこれらの病気を“放っておいてはいけないのか”
をお伝えします。

CSAは「一時的な異常」でも安全ではありません

冠攣縮性狭心症(CSA)は、
冠動脈が一時的に強く縮むことで起こります。

一時的だから大丈夫、
発作が治まれば問題ない、
と思われがちですが、実際はそうではありません。

ガイドラインで示されているリスク

現在のガイドラインでは、

CSAは

  • ・ 心筋梗塞
  • ・ 致死性不整脈(心室頻拍・心室細動)
  • ・ 突然死

と関連することが明確に示されています。

特に、

  • ・ 夜間・早朝の発作
  • ・ 喫煙歴がある方
  • ・ 強い攣縮が起こるタイプ

では、注意が必要です。

CMDも「軽い病気」ではありません

CMD(冠微小循環障害)は、
心臓の非常に細い血管の血流調整がうまくいかない状態です。

以前は「予後に影響しにくい」と考えられていましたが、
現在では考え方が大きく変わっています。

CMDと関連することが分かっている病態

  • ・ 心筋梗塞
  • ・ 心不全(特に、心機能の保たれた心不全/HFpEF)
  • ・ 心血管イベントの増加
  • ・ 生活の質(QOL)の低下

European Society of Cardiologyのガイドラインでは、CMDを
「予後に影響する虚血性心疾患の一形態」
と位置づけています。

重要なのは「正しく診断すれば対処できる」こと

ここで大切なのは、
CSAやCMDは、診断がつけば治療できる病気である
という点です。

  • ・ 薬の選択
  • ・ 生活習慣の調整
  • ・ リスク因子の管理

これらは、
病態が分かって初めて適切に行えます。

そのためには、
原因をあいまいにしないことが重要です。

大切なのは、

怖がることではなく、正しく知り、備えることです。

次回予告

「では、どうやって正しく診断するのか?」

次回は、

「なぜ心臓カテーテル検査が必要なのか」
― CTやエコーでは分からない理由

について、
患者さんの立場で分かりやすくお話しします。

https://www.tanno-clinic.com/heart_center/

参考:European Society of Cardiology, Japanese Circulation Societyのガイドライン

東京日暮里たんのハートクリニック
院長 丹野 巡

検査で異常なしと言われた胸の痛み ― 見えない心臓の病気をご存じですか?

胸が苦しい、締めつけられる、息苦しい。
そんな症状があるのに、

  • 心電図は異常なし
  • 心エコーも問題なし
  • 冠動脈CTでも「きれい」と言われた

それでも症状が続いて、

不安を感じていませんか?

このような症状で悩んでいる方は、

決して少なくありません

実はその胸の症状が、

「見えない心臓の病気」が関係している可能性があります。

 

「異常なし」でも症状が出る理由があります

心臓の血管(冠動脈)というと、
一般的には太い冠動脈の動脈硬化をイメージされると思います。

しかし、心臓には、

  • 一時的に縮みやすい血管(攣縮)
  • 非常に細い血管(微小循環)

があり、

これらの“働き”に異常があると、
血管が詰まっていなくても症状が出ます。

 

注目されている2つの病気

 

冠攣縮性狭心症(CSA)

血管が一時的に強く縮むことで、
心臓に十分な血液が届かなくなる病気です。

夜間や早朝、安静時に症状が出やすく、
検査のタイミングによっては見逃されることがあります。

 

冠微小循環障害(CMD)

太い血管ではなく、
非常に細い血管の血流調整がうまくいかない状態です。

このCMDが原因で起こる胸の症状を、「微小血管狭心症」と呼びます。

 

これらは「軽い病気」ではありません

以前は軽く考えられがちでしたが、
現在のガイドラインでは、

  • 心筋梗塞
  • 致死性不整脈
  • 心不全
  • 突然死(特に、冠攣縮性狭心症/CSA)など

との関連があることが示されています。

でも同時に、
正しく診断し、適切に治療すれば、リスクは下げられる
ことも分かっています。

 

なぜ通常の検査では分からないのか

心電図やCT、エコーは、
血管の「形」を見る検査です。

一方、CSAやCMDは、
血管の「働き(機能)」の異常です。

そのため、

  • 血流が十分に増えるか
  • 血管が過剰に縮まないか

といった点を、
直接評価する検査が必要になります。

 

当院が大切にしていること

東京日暮里たんのハートクリニックでは、

  • 症状を「気のせい」で終わらせない
  • 見えない異常を丁寧に評価する
  • ガイドラインに基づいて診断・治療につなげる

ことを大切にしています。

次回のブログでは、「なぜ心臓カテーテル検査が重要なのか」を
もう少し詳しくお話しします。

 

詳しく知りたい方へ

CSA・CMDについて患者さん向けに分かりやすくまとめた当院オリジナルのパンフレットもご用意しています。(※院内配布)

https://www.tanno-clinic.com/heart_center/

本記事は、虚血や微小循環の異常が心不全に関与する可能性についても理解を深める内容です。

参考:European Society of Cardiology, Japanese Circulation Societyのガイドライン

 

東京日暮里たんのハートクリニック
院長 丹野 巡

ホームページを公開しました

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東京日暮里たんのハートクリニック 心不全センターサイトの情報を発信してまいります。