植込み型心電計(ICM)とは
ICM(Insertable Cardiac Monitor)は、USBメモリほどの小型デバイスを胸の皮下に埋め込み、24時間365日心電図を記録し続ける検査機器です。発作的な動悸や原因不明の失神など、通常の心電図検査では捉えきれない症状の診断に非常に有効です。特に、症状の頻度が低く、外来やホルター心電図では原因がわからないケースで威力を発揮します。
ICMの対象となる疾患
- 原因不明の失神/一過性意識消失発作
- 潜因性脳梗塞
- 器質的心疾患(致死性不整脈発生リスクの高い疾患)
ICMの具体的検査方法
局所麻酔下に胸の皮膚の下にICMデバイス挿入術を実施します。手技は15分ほどで、日帰り手術となります。植え込み後は自動で心電図データを記録し、日々の記録は自動送信されます。自宅にいながら当院に心電図情報が転送され、異常があれば早期対応が可能です。
当院心不全センターのICMの特色
- 心不全・高齢者への豊富な導入実績:当センターでは、失神・動悸の原因精査としてICMを積極的に活用しており、心不全との関連を評価する体制も整っています。
- シームレスな病診連携:ICMで不整脈をとらえた後は、治療(カテーテルアブレーションやペースメーカー/ICD植え込みなど)にスムーズに移行可能な病診連携体制を構築し、患者さんの時間的・身体的負担を最小限に抑えた診療を提供しています。
- 地域連携対応:他院や施設からの紹介にも積極的に対応し、紹介元への結果報告・対応方針の共有も迅速に行っています。

