下肢静脈レーザー治療(EVLA)とは?
長時間の立ち仕事や年齢とともに、足の血管が浮き出たり、重だるさ・むくみ・こむら返りなどが起こったりすることがあります。これは「下肢静脈瘤」と呼ばれる病気による可能性があります。この病気の主な原因は、血液を心臓へ戻すために静脈に備わっている静脈弁が壊れてしまうことです。当院では、この下肢静脈瘤に対してレーザーを使って内側から血管を焼灼・閉塞する治療である「下肢静脈レーザー治療(EVLA)」を行っています。切らずに治療ができ、日帰り手術が可能です。
下肢静脈レーザー治療(EVLA)の対象疾患
- 一次性下肢静脈瘤:血液を心臓へ戻すために静脈に備わっている静脈弁が壊れることでおこる静脈瘤が一次性下肢静脈瘤です。一方で、深部静脈血栓症(DVT)などが原因で起こる静脈瘤を二次性下肢静脈瘤といい、二次性下肢静脈瘤には下肢静脈レーザー治療(EVLA)はできません。
下肢静脈レーザー治療(EVLA)の具体的な治療方法
まずは、下肢静脈超音波検査で静脈の状態を評価し、治療計画を立てます。局所麻酔を実施し、治療対象静脈に、細いカテーテルを挿入し、治療対象静脈の周りにEVLA用の特殊局所麻酔(TLA麻酔)を注射します。そのうえで、カテーテルからレーザー光を照射し、血管内を焼いて塞ぎます。術後は弾性ストッキングを1〜2週間着用していただきますが、日常生活には翌日からほぼ復帰可能です。なお、血管内を焼いて静脈を塞ぎますが、血液は健康な静脈に迂回し、異常静脈は自然に吸収されます。
当院心不全センターにおけるEVLA治療の特色
- 「循環器専門医による包括的評価」:足のむくみや静脈瘤の背後には心不全や深部静脈血栓症などの疾患が隠れていることもあります。当院では心不全センターの強みを活かし、下肢だけでなく全身の循環評価を行います。
- 「カテーテル技術を応用した高精度な日帰り治療」:EVLAはカテーテル治療技術を応用して行うため、当院の熟練した医師による安全で確実な治療が可能です。
- 「皮膚科・訪問診療チームとの連携」:うっ滞性皮膚炎や潰瘍に対しては皮膚科や在宅医療チームと連携し、在宅でのケアや弾性ストッキング指導も対応しています。
- 「必要に応じて病診連携で入院加療も可能」:重症例や再発例については、基幹病院と連携し入院治療もサポートします。
 
      


 
       
       
       
       
     
       
        