「血管はきれいです」
「大きな異常はありません」
そう言われたのに、胸の痛みや息苦しさが続く。
前回のブログでは、
CSA(冠攣縮性狭心症)やCMD(冠微小循環障害)
という“見えない心臓の病気”についてお話ししました。
今回は、
なぜこれらの病気を“放っておいてはいけないのか”
をお伝えします。
CSAは「一時的な異常」でも安全ではありません
冠攣縮性狭心症(CSA)は、
冠動脈が一時的に強く縮むことで起こります。
一時的だから大丈夫、
発作が治まれば問題ない、
と思われがちですが、実際はそうではありません。
ガイドラインで示されているリスク
現在のガイドラインでは、
CSAは
- ・ 心筋梗塞
- ・ 致死性不整脈(心室頻拍・心室細動)
- ・ 突然死
と関連することが明確に示されています。
特に、
- ・ 夜間・早朝の発作
- ・ 喫煙歴がある方
- ・ 強い攣縮が起こるタイプ
では、注意が必要です。
CMDも「軽い病気」ではありません
CMD(冠微小循環障害)は、
心臓の非常に細い血管の血流調整がうまくいかない状態です。
以前は「予後に影響しにくい」と考えられていましたが、
現在では考え方が大きく変わっています。
CMDと関連することが分かっている病態
- ・ 心筋梗塞
- ・ 心不全(特に、心機能の保たれた心不全/HFpEF)
- ・ 心血管イベントの増加
- ・ 生活の質(QOL)の低下
European Society of Cardiologyのガイドラインでは、CMDを
「予後に影響する虚血性心疾患の一形態」
と位置づけています。
重要なのは「正しく診断すれば対処できる」こと
ここで大切なのは、
CSAやCMDは、診断がつけば治療できる病気である
という点です。
- ・ 薬の選択
- ・ 生活習慣の調整
- ・ リスク因子の管理
これらは、
病態が分かって初めて適切に行えます。
そのためには、
原因をあいまいにしないことが重要です。
大切なのは、
怖がることではなく、正しく知り、備えることです。
次回予告
「では、どうやって正しく診断するのか?」
次回は、
「なぜ心臓カテーテル検査が必要なのか」
― CTやエコーでは分からない理由
について、
患者さんの立場で分かりやすくお話しします。
https://www.tanno-clinic.com/heart_center/
参考:European Society of Cardiology, Japanese Circulation Societyのガイドライン
東京日暮里たんのハートクリニック
院長 丹野 巡














